Q&A
遺伝⼦治療に関する「よくあるご質問」をまとめました。
監修:自治医科大学医学部 生化学講座 病態生化学部門
教授 大森 司 先⽣
Q
遺伝⼦治療の利点を教えてください。
A
遺伝⼦治療の利点には①これまでの治療では効果がなかった病気が治る可能性があること、②長期に治療効果が期待できること―などがあります。
Q
遺伝⼦治療にも欠点があるのでしょうか。
A
欠点がないとはいえません。遺伝⼦治療は始まってから歴史も浅いため、予期しない副作⽤などが発現する可能性はあります。また、他の治療法でもそうですが、必ずしも治療効果が現れるとは限りません。
Q
遺伝⼦治療では治療に痛みが伴いますか︖
A
一般的に遺伝子治療には、通常の治療薬と同じように点滴などの注射を⽤います。ただし、直接、目的の部位に治療薬の注入を行う場合には全身麻酔が必要になることもあります。
Q
遺伝⼦治療は何度も受ける必要がありますか︖
A
遺伝⼦治療の効果持続期間は、その治療の種類によって異なります。また、同じ治療であってもその治療を受ける患者さんごとに効果の持続期間や効果の強さが変わることもあります。遺伝子治療の種類によっては効果が弱くなってきた場合に再治療することもあります。
Q
遺伝⼦治療を受ければ、⼦どもに現在抱えている遺伝性疾患は遺伝しなくなりますか︖
A
遺伝⼦治療の影響は患者さん本⼈にとどまると考えられています。厚⽣労働省の「遺伝⼦治療等臨床研究に関する指針」でも「遺伝⼦導⼊の標的細胞は次世代に影響が及ばない体細胞に限る」とされており、遺伝⼦治療で遺伝性疾患が治療されたとしても、その結果は原則的に⼦どもには受け継がれません。
Q
遺伝⼦治療はどこの医療機関でも受けることができるのでしょうか。
A
遺伝⼦治療は承認されているものであっても、どこの医療機関でも受けられるというものではありません。専⾨の医療機関を受診する必要があります。信頼性の乏しい未承認薬を海外から輸⼊して治療を⾏っている医療機関もあるため注意が必要です。遺伝⼦治療を受ける際には、主治医とよく相談すると同時に、⽇本遺伝⼦細胞治療学会のHP[JSGCT ⽇本遺伝⼦細胞治療学会公式サイト]の注意喚起を事前に読んでおくとよいでしょう。
Letʼs try!
理解度チェックテスト
Q&Aで学んだ内容をおさらいしてみましょう。
Q
遺伝⼦治療を受ける利点はありますか︖
- A利点がある場合があります
- ◎遺伝⼦治療の利点には①これまでの治療では効果がなかった病気が治る可能性があること、②長期に治療効果が期待できること―などがあります。
- B利点は全くありません
- ×遺伝⼦治療の利点には①これまでの治療では効果がなかった病気が治る可能性があること、②長期に治療効果が期待できること―などがあります。
Q
遺伝⼦治療にも欠点はありますか︖
- A欠点はないとはいえません
- ◎遺伝⼦治療は始まってから歴史も浅いため、予期しない副作⽤などが発現する可能性はあります。また、他の治療法でもそうですが、必ずしも治療効果が現れるとは限りません。
- B欠点はまったくありません
- ×遺伝⼦治療は始まってから歴史も浅いため、予期しない副作⽤などが発現する可能性はあります。また、他の治療法でもそうですが、必ずしも治療効果が現れるとは限りません。
Q
遺伝⼦治療で⾏われる治療はどちらですか︖
-
A臓器を摘出するような
⻑時間にわたる⼿術 - ×治療には、点滴などの注射を⽤います。ただし、直接、目的の部位に治療薬の注入を行う場合には全身麻酔が必要になることもあります。
- B点滴などの注射
- ◎治療には、点滴などの注射を⽤います。ただし、直接、目的の部位に治療薬の注入を行う場合には全身麻酔が必要になることもあります。
Q
遺伝⼦治療の効果はどのくらい持続しますか︖
-
A得られた遺伝子治療の効果は
一生続きます - ×遺伝子治療の効果の持続期間は様々ですが、成長に伴い効果が弱くなった場合などには再治療することもあります。
-
B治療効果の持続期間や効果の強さは
人により異なる場合があります - ◎遺伝子治療の効果の持続期間は様々ですが、成長に伴い効果が弱くなった場合などには再治療することもあります。
Q
遺伝⼦治療を受ければ、現在抱えている遺伝性疾患は⼦どもに遺伝しなくなりますか︖
- A治療効果が子どもに受け継がれます
- ×遺伝⼦治療の影響は患者さん本⼈にとどまると考えられています。厚⽣労働省の「遺伝⼦治療等臨床研究に関する指針」でも「遺伝⼦導⼊の標的細胞は次世代に影響が及ばない体細胞に限る」とされており、遺伝⼦治療で遺伝性疾患が治療されたとしても、その結果は原則的に⼦どもには受け継がれません。
-
B治療効果は子どもには
受け継がれません - ◎遺伝⼦治療の影響は患者さん本⼈にとどまると考えられています。厚⽣労働省の「遺伝⼦治療等臨床研究に関する指針」でも「遺伝⼦導⼊の標的細胞は次世代に影響が及ばない体細胞に限る」とされており、遺伝⼦治療で遺伝性疾患が治療されたとしても、その結果は原則的に⼦どもには受け継がれません。
Q
遺伝⼦治療はどこの医療機関でも受けられますか︖
- A専⾨の医療機関だけで受けられます
- ◎遺伝⼦治療は承認されているものであっても、どこの医療機関でも受けられるというものではありません。専⾨の医療機関を受診する必要があります。信頼性の乏しい未承認薬を海外から輸⼊して治療を⾏っている医療機関もあるため注意が必要です。遺伝⼦治療を受ける際には、主治医とよく相談すると同時に、⽇本遺伝⼦細胞治療学会のHP[JSGCT ⽇本遺伝⼦細胞治療学会公式サイト]の注意喚起を事前に読んでおくとよいでしょう。
- Bどこの医療機関でも受けられます
- ×遺伝⼦治療は承認されているものであっても、どこの医療機関でも受けられるというものではありません。専⾨の医療機関を受診する必要があります。信頼性の乏しい未承認薬を海外から輸⼊して治療を⾏っている医療機関もあるため注意が必要です。遺伝⼦治療を受ける際には、主治医とよく相談すると同時に、⽇本遺伝⼦細胞治療学会のHP[JSGCT ⽇本遺伝⼦細胞治療学会公式サイト]の注意喚起を事前に読んでおくとよいでしょう。
石田 幸弘:図解・最先端医療 がん遺伝子治療のことがわかる本 あさ出版:64, 2018